GPIF(公的年金)赤字が意味するもの

GPIF(公的年金)の運用実績が公表されました。

GPIFの運用実績は3か月ごとに公表されます。

この記事を見て、どう感じますか?

公的年金運用損、最悪の14.8兆円 昨年10~12月

国民年金や厚生年金の積立金を運用する

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は2月1日、

昨年10~12月期の運用実績が

14兆8039億円の赤字だったと発表した。

四半期ベースで過去最大の赤字額。

10月からの世界的な株安が響いた。

しかし、積立金の市場運用を始めた2001年度以降の累積収益額は56兆6745億円のプラス。

年金財政上必要な水準は上回っている。

運用資産額は150兆6630億円となった。

野村証券の西川昌宏チーフ財政アナリストの試算によると、

国内株式で7兆7千億円の損失、外国株式で6兆6千億円の損失となった。

外国債券も5000億円のマイナスで、国内債券が5000億円のプラスだった。

GPIFによると、四半期ベースでは15年7~9月期の約8兆円のマイナスがこれまでで最大の損失だった。中国人民銀行が人民元を切り下げ株安が世界に広がった。

GPIFはかつては資産の7割近くを国内債券で構成していたが、14年度に積極運用に転換。株式の運用比率を国内外あわせて50%に高める方針を打ち出した。18年9月末で51%を超えており、株式相場の変動の影響を受けやすくなっている。

18年4~12月期でみると損失は6兆円規模になる計算だ。17年度までの運用実績と合算すると、累積収益額は約57兆円まで目減りする。

”公的年金運用損、最悪の14.8兆円”なんて書かれると、

一見、ネガティブな記事に見えると思います。

しかし、マイナスというのは帳面上の話で、

たまたま12月31日の株価が世界的に低調であったことが要因です。

年金運用の仕組みはご存知ない方も多いと思います。

公的年金は株での運用割合を50%(上下9%は許容範囲)と決めておりますので、

帳面上の株の評価が下げればその分運用割合も下がります。

下がったらどうなるか・・・?

50%に近づけるために自動的に株を買い増す仕組みです。

逆に株価が上昇すれば、株の割合も上がりますので、その分株を売ってしっかりと収益を確保する仕組みです。

つまり、昨年10月~12月は、

ドルコスト平均法で言うところの「バーゲンセール」で、

しっかりと多くの「量」が買えているはずですので、

将来、株価が上昇した時にはその分収益は多くなります。

GPIFもプロが運用していますので、わざわざ「株式市場全体が下がったタイミング」で株を売ったりしません。むしろ帳簿上の評価が下がり、全体資産の50%としている株での割合が下がり、株を買い増しているはずです。そうなるとどうなりますか?積立投資のメリット「値下がりは量を買い込むチャンス」となります。

欧米のように積立投資で自分年金を大きく増やしていく必要がある日本において、新聞記者自身も積立投資に対する誤解をしています。(もしくはあえて不安をあおろうとしているかのどっちかです)

日米の個人金融資産の推移(1ドル100円換算)

         (1990年)       (2014年)

 日本      1017兆円   ⇒  1696兆円  約1.67倍

 アメリカ    1600兆円   ⇒  6830兆円  約4.27倍

日米の投信残高の推移

         (1990年)       (2014年)

 日本      46兆円    ⇒     94兆円   約2.0倍

 アメリカ    106兆円        ⇒  1585兆円       約15.0倍 

世界銀行、日銀より

              収益=量×価格

「ドルコスト平均法」とは。

ドルと名がついていますが、外貨投資に限った仕組みではなく、

積み立てで何らかの投資をしていれば、この仕組みが利用されているのです。

投資の醍醐味は、「安値で買い、高値で売る」。これにつきますが、「安値がいつ、いくらなのか」「高値がいつ、いくらなのか」は、投資のプロでも振り返ってみないとわからないのです。

ましてや投資初心者は、安値と思いつつまだ安くなると思っているうちに、価格が上昇して買い時を逃してしまう。高値と思いつつも、まだ高くなると思っているうちに売り時を逃してしまう。そんなことを繰り返しているうちに、投資機会を逃し、投資意欲をなくしてしまうものです。

そんな投資初心者におすすめなのが積立投資です。どんな投資商品にも価格変動があります。日々価格が上下するなかで、買い時や売り時を決断するのはなかなか難しいこと。それを機械的に、毎月決まった額で同じ銘柄を買い付けていき、価格変動リスクを抑える投資法が「積立投資」なのです。

価格が安いときは多く、価格が高いときには少なく買い付けるため、結果的に平均購入単価を抑えることができます。このときに使われるのが「ドルコスト平均法」。積立が可能な投資商品には、投資信託、るいとう(株式累積投資)、純金(銀、プラチナ)積立、外貨MMFなどがあります。商品性は異なりますが、積立の考え方は、いずれも同じです。

そんな「ドルコスト平均法」の仕組みが分っていれば、

公的年金の運用が過去最大の赤字になっても

慌てる必要はないのです。

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コメント

  1. あづみ より:

    実はわたしの職場の年金は、元は厚生年金ではありませんでした。
    途中から厚生年金に変更されました。そして、どうやら元の年金機構というのでしょうか、それが完全に解散するようです。以前のものが厚生年金に完全に移行されるならあまりなんとも感じないのですが、どうやらその部分は一時金で支払われるようで。
    つまり、将来の年金に反映されないってことですよね。

    支給された一時金、どうやって運用するかものすごく大変な選択をしなくちゃいけないとわかってちょっと混乱してます。

    それ以外にもシステムが変更されたり働き方改革に巻き込まれるんでどこから攻めればいいんでしょうね。
    でも、どうにかするしかないから、進んでいくのみですね。