「究極の医療」今年5月、日本でスタート

体内に遺伝子を入れて病気を治す「遺伝子治療薬」が今年5月にも日本で初めて登場する見込みとなった。薬事承認の手続きに基づき、厚生労働省の専門家会議で20日、足の血管を再生する薬と血液がん治療薬の承認が了承された。海外の製薬企業が開発で先行するなか、血管再生薬については日本企業初の承認事例となる。難病患者の治療に道を開くことになりそうだ。

血管再生で承認されたのは、東証マザーズに上場するアンジェスが開発した「コラテジェン」。重症の動脈硬化で血管がつまった足に、新たな血管を作る遺伝子を注射して治療する。糖尿病患者などに多く、重症になると足の切断もある閉塞性動脈硬化症などが対象だ。患者は国内で年約15万人いるとされる。

正式承認を経て薬価は5月にも決まる。複数の関係者によると、治療費は1人200万~300万円になるよう設定されるとの見方がある。

アンジェスは大阪大学発の企業でマザーズに2002年上場し、会社を設立した1999年からコラテジェンの開発を手がけてきた。

同時に、スイス製薬大手のノバルティスが開発した白血病などのがんを治療する「キムリア」の承認も了承された。免疫細胞に遺伝子操作を加えがんへの攻撃力を高める仕組みで、若年の白血病患者で8割に治療効果が見られた。両新薬とも保険適用される見通しだ。

遺伝子治療薬は究極の医療と期待されており、従来治療の難しかった病気を治すと期待されている。様々な病気で原因が突き止められ、遺伝子治療薬の有効性を示す報告も増えた。

調査会社の英エバリュエートによると、24年の遺伝子治療薬の世界市場は1.7兆円で医薬品全体の1%の見込みだ。今までに世界で承認されているのは約10製品。ただ、年率100%を超す大きな成長が見込まれ、米国では今後、毎年約10品目が承認される見通し。日本でも、毎年複数の製品が発売されそうだ。

患者は少数でも高い薬価が期待でき、各国政府も早期承認制度などで開発を後押ししている。従来15年ほどかかっていた新薬発売までの期間が、遺伝子治療薬なら数年に短縮でき、製薬企業のリスクを抑えると言われている。ただ、薬価が高額のため社会保障費の増大につながり、財政を圧迫するとの懸念も指摘されている。

遺伝子治療薬の実用化で日本は出遅れた。低分子化合物やiPS細胞などの研究に予算や研究者が集まり、遺伝子治療の研究が停滞したことがある。ただ、ここにきて、日本企業も相次ぎ開発に着手している。

第一三共は東京大学と組み、脳腫瘍の遺伝子治療薬を開発中で早ければ今年中にも承認を得る見通し。アステラス製薬や武田薬品工業も、血友病などの遺伝子治療薬の開発を続けている。

「究極の医療」が今年5月、日本でスタートします。年率100%を超える勢いで普及していくとのことですが、薬の種類も現在の10種類から順次増えていくものと思われます。しかし問題は価格・・すべてを保険適用とすることは、ただでさえ社会保障費が増大していく日本において無理がでてくるのではないでしょうか。海外で実績があっても国内で承認されなければその薬は未承認薬ということで保険適用にはなりません。そんな時、海外では実績があるけれども国内未承認の「究極の医療」を使用したい思った時、「患者申出療養制度」を利用することになります。「患者申出療養制度」は保険適用ではありませんので、全額自己負担となります。せっかくその薬を使えば治るとわかっていても、お金がないために断念するケースも今後多く出てくるのではないでしょうか。

そこで「患者申出療養給付保険」に加入していれば、お金のことは心配せずに「究極の医療」が受けられます。

遺伝子治療は、欧米では1回5000万~1億近い治療費がかかるものもあるようです。お金持ちしか「究極の医療」を受けられない、まさにそんな現状ではないでしょうか。日本でも「遺伝子治療」が普及すると、同じように、医療格差が広がりやすくなります。保険を活用して少しでも医療格差のない社会にする、これも人生100年時代を安心して生きるための社会貢献活動ではないでしょうか。

 ■免疫療法

体の中に侵入した細菌やウイルスなどの異物を排除する「免疫の力」を治療に使う方法。免疫が弱まれば薬を投与するなどして活性化。がん細胞が免疫細胞にかけるブレーキを外すことに着目したのが、ノーベル医学・生理学賞を受賞した京都大の本庶佑(ほんじょ・たすく)特別教授。免疫療法はがん治療として、手術、化学療法(抗がん剤)、放射線に次ぐ「第4の治療」として注目を集めている。

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