傑作!ローカルCM マスコミ関係の今

6月に開かれた第54回ギャラクシー賞(放送批評懇談会主催)贈呈式で、

CM部門大賞が発表された時、

会場から驚きの声が漏れたという。

KDDIの「au 三太郎シリーズ」などの話題作を抑えて、

ローカルCMが受賞したからだ。

それが、

120秒の

「超ドS 静岡兄弟篇」。

静岡新聞の創刊75周年と

静岡放送(SBS)の開局65周年に際して作られたもの。

新聞と放送を老いた兄弟に擬人化するアイデアが出色。

メディアの企業CMにしては、

意表をつく自虐的なユーモアを漂わせている。

夏の浜辺。(静岡ぽい)

白髪の兄弟が派手な柄の海水パンツ姿で現れる。

髪の薄い兄は頭にバンダナを巻き、

挑発の弟はおでこにサングラスを乗せている。

しかし、

ループタイが二人のセンスを如実に物語る。

兄弟は水着姿の若い女性二人に

「ドラマに出ている女優さん?」と声をかける。

「夕べやってたあれ、トレンディードラマ」というセリフも、

痛々しい。

サーフボードを示し、

「一緒に乗らない?」

とナンパを試みるが、

「無理、無理」と相手にされない。

すると、

兄は「僕はね、新聞」、

やや軽い感じの弟は「俺、テレビ」と切り出す。

「最先端を行くというか、波をとらえるというか」

「時代の波ね、文化作っているっていうの」と、

いかにも誇らしげ。

気味悪くなった二人の女性は

「文化、マジどうでもいい」と立ち去り、

「うちら、ほぼウェブだから!」と捨て台詞を吐く。

「時代の波(ウエーブ)」と「ウェブ」をかけている。

新聞は読まず、

テレビを見ない若者が増えている。

情報はパソコンやスマホで収集し、

テレビ番組や動画もそれらで楽しむ世代だ。

「やっぱ、このままじゃダメだあ」。

発奮した兄弟は、

ジムでトレーニングに励む。

イケメンに変身し、

海で彼女たちに再チャレンジする。

今度は「わあ、マスコミ関係」

「へー、軽くあこがれ!」とちやほやされるが、

おへその力を緩めると、

元に戻ってしまう。

最後に「静岡新聞は、75歳。SBSは、65歳」という字幕が浮かび上がる。

「今までの自分を超えろ!!」

自分自身に言い聞かせるようなメッセージからは、

新聞・テレビ離れに対する危機感とともに、

新時代に対応すべく苦闘する姿が伝わってくる。

高いプライドを持っているメディアの企業が

こうした自虐的なCMを作るのは珍しい。

静岡新聞、静岡放送の度量の深さ、感性の現れか。

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